2024/12/8:潜入!かながわ農業ハイスクール season2 ~相原高校編~
◆県内の農業系高校に潜入する人気シリーズのシーズン2。
相模原市にある「相原高校」をリサーチしました。
◆相原高校
県立高校一の敷地面積を誇り、農業系の3学科(畜産科学科・食品科学科・環境緑地科)
と商業系の1学科(総合ビジネス科)を併設した専門校です。
1912年(大正12年)の創立以来、100年以上にわたり多くの人材を輩出してきました。
100周年を記念して造られた庭園は環境緑地科の手によるもの。
中に置かれた石碑には「相を紡ぐ」という言葉が刻まれています。
これは農蚕学校として創立された同校を象徴する言葉でした。
◆いざ「食品科学科」に潜入!
身近な「食」について専門的に学ぶことができる「食品科学科」へ。
1年生の担任でもある田中先生のご案内のもと、ホームルームにお邪魔しました。
自己紹介をしたのち、いざ授業に潜入です。
1~2時間目は「農業と環境」。
食の原点であり、人間が食べられるものを生み出す農業を学ぶことで、生産の苦労や
収穫の喜び、素材の大切さを学びます。
この日は白菜と大根の収穫を行うとのこと。
注意事項を確認したのち、実習圃場に向かいました。
◆自由な発想で栽培研究
実験圃場では生徒が自ら課題を掲げ、自由な発想で栽培を行っていました。
・人間の体に有効と言われているものを肥料で与えた白菜はどうなる?
・野菜に塩を与えたら塩味の白菜ができるのでは?
・防虫ネットの効果を逆の意味で体感した生徒...
・白菜の近くに果物の皮を埋めて育てたら...?
常識にとらわれない柔軟なアイデアの数々は驚きと発見を生み出しました。
栽培において一人一人が課題を持ち、頭の中で考えたことを実際にやってみて確認
する。
簡単なようで難しいことを授業の中で経験できるのが、農業高校の魅力の一つでした。
◆目に見えない「微生物」の知識
田中先生が教える「食品微生物」の授業では食中毒についても学びます。
細菌、酵母、カビ、ウイルスなどの種類、繁殖について知ることは食品衛生の第一歩。
今回は手指に存在する微生物の検査を行い、「手洗い前」と「手洗い後」に付着している
菌の繁殖実験を行いました。
微生物を可視化し、その存在を知ることも「食品微生物」の学びでした。
◆3年生の課題研究
微生物を学んだ3年生たちは、それぞれ目的意識を持った研究を進めていました。
科学的な根拠に基づいた「安全なおむすびの作り方」を考えたり、血糖値の急激な上昇
を抑えるお茶を自身の体で実験するなど...。
近い将来実用化され、私たちの身近なものになっているかもしれません。
◆相原高校伝統の宿泊味噌づくり体験
微生物は人間にとって悪い影響だけを与えるものではありません。
日本古来の発酵調味料である「味噌」はその代表格。
相原高校では2年生になると宿泊で味噌づくりを体験します。
味噌づくりには多くの工程がありますが、取材では麦麹を作る生徒たちを捉えました。
泊まり込んで温度管理や発酵度合いを確認。
生徒たちは楽しそうに共同作業を行っていました。
実はこの味噌づくりが入学の一つの決め手になったと話す生徒もいました。
◆相原高校の食材でクッキング
畑で収穫した野菜や手作り味噌などを使い調理体験!
微生物の勉強をしたりゅうちゃん。
しっかりと手袋をして生徒たちと「おむすび」作りをしました。
生徒たちは口々に笑顔を絶やすことなく話します。
「この学校に来てよかった!」「食品科学科サイコー!」
相原高校での学びは、笑顔あふれる生徒たちを育んでいました。
◇神奈川県立相原高校
住所:相模原市緑区橋本台4-2-1
TEL:042-760-6131
HP:https://www.pen-kanagawa.ed.jp/aihara-h/